損益分岐点分析②
損益分岐点売上高を求める算式はこちらでした。
損益分岐点売上高=固定費/(1-変動比率)
この(1-変動比率)の部分を理解するために、算式を組み替えるとこうなります。
損益分岐点売上高=固定費/限界利益率
つまり、1-変動比率=限界利益率ということになります。
これは、税務申告用の決算書の、
売上高-売上原価-販売費及び-般管理費変動費-営業外費用-特別損失=当期純利益
という算式を、損益分岐点分析に必要な
売上高-変動費-固定費=当期純利益
に組み替えたうえで、
売上高-変動費=限界利益
と考えるところからきています。
前回の例をもう一度使ってみるとこうなります。
売上高100円-変動費(仕入高30円)=限界利益(70円)
損益分岐点売上高=固定費(給与20円+家賃10円)/限界利益率70%
=42.8円
※限界利益率=限界利益70円/売上高100円
=70%
その会社の損益分岐点売上高は43円ということで、損益分岐点売上高を求める算式を組み替えても、同じになりました。
この限界利益は貢献利益と呼ばれることもあります。
固定費を回収するのに貢献している利益だからです。
この会社であれば、売上から仕入を引いた後の70円が固定費を回収するのに貢献しているわけです。
変動費は売上が発生しなければかからないので、変動費がかかって損するということはありません。
つまり、会社経営上問題になってくるのは、売上が上がらなくてもかかる固定費を回収できるのかという点が重要になってきます。
貢献利益>固定費
でなければ、会社経営は成り立たないということになります。
そのためには、貢献利益を増やし、固定費を下げる経営を目指しましょう。
次の3つの算式は、算式を組み替えたり、読み替えているだけで結果は同じです。
⓵損益分岐点売上高=固定費/(1-変動比率)
⓶損益分岐点売上高=固定費/限界利益率
⓷損益分岐点売上高=固定費/貢献利益率
⓷の算式が、一番理解しやすいのではないかと考えています。
株式会社BPCブレイン
代表取締役/経営コンサルタント 飯塚智治